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第五回 伝われ!!集団表現の魅力!!

 この動画ではSupercalifragilisticexpialidociousをバーバーショップスタイル(以降 barbarshopと呼ぶ)というコーラス形態で演奏している。ここでbarbershopについて語りたいと思う。

 

 barbershopは個人的に最も難しいコーラスだと考えている。たった4人の男声で混声合唱に匹敵する3~4オクターブの音域を自由に行き来し、その広い音域の中で音質を合わせて歌う。(もし、合わせられなければ聴くに堪えない荒々しい曲になる)

 一人一人の技術(音域・声量など)が高い事は必須だが、その高いパフォーマンスを維持しつつ4人でどういった音質・アドリブ表現・リズム感で歌うか等をリアルタイムで共有されていなければ、途端に空中分解して崩れ落ちてしまう。それだけ難しい分、非常に高いパフォーマンス性を持っていて、聴く人を感動させる。

 

 そして、面白い特徴として多くのbarbershopのグループが演劇的な演出・動きをコーラスに取り入れているという点が挙げられる。少なくとも一般的な日本での合唱演奏会より「舞台でやっています!ここが笑いどころですよ!」という意識がビリビリと伝わって来る。演技が歌唱の邪魔をすることなく、むしろ面白さを引き立てているのだ。これによって、高い技術の伴う芸術的な美しさだけでなく、刺激的な漫談パフォーマンスとしても成り立足せられるのだ。アンサンブルコーラスだけでなく混声合唱の演奏会にもこういった要素が取り入られてもいいと思っている。

 

動画は「Barbarshop Harmony Society」 様から拝借いたしました。この団体はバーバーショップスタイルのコーラスの保存と奨励のために作られたアメリカの協会です。バーバーショップの教育などもされています。