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空手の型は1人芝居

私はかつて9年程、空手教室に通っていた。今では通ってはいないものの、最近になって空手の型と演劇は実は似ているなと思い始めた。

型とは何か?

空手では、敵から身を守る・敵を無力化する動きを型という形で体に身につける。何千、何万回もの練習を積み重ねて正しいフォームを再現できるようになる(体を100%コントロール出来るようになる)というのが、型の意義だと思っている。
  型は各流派で細かな違いはあるが、大抵の流派は沖縄空手を元に何百年にも渡って受け継がれてきている。

  ただ、黒帯を取った今でも「1つ1つの型の動作の意味・意図が分からない」というのが本音だ。型は確かに身を守る・無力化する動作に間違い無いのだが、実戦では使えそうにないような技が割とある。指先(手刀)で敵を突き倒すといった相当な肉体的鍛錬が必要な技があれば、相手の急所を掴んで片手で体ごと持ち上げるといった技もある。

型をよりリアルに考えるには?

実践的に使えない技ほど実際にやってみるためのシュミレーションが重要になってくる。本当に敵がいたら、自分はどうやって動くだろうか?というのを考えなければいけない。そういうときに演劇的な考え方、体の使い方が重要になる。

そして、その時には技の難易度に関わらず、技を出す方向に(むしろその方向から)敵が攻撃を仕掛けて来ていることを考えると、当たり前だが、その敵を直視する必要がある。より具体的に考えると、どれだけの背丈で、どのくらいの高さに頭があって、今まさにどういう攻撃を仕掛けて来ているかなどだ。逆に、そういったことを想定して演じていなければただ型の形を再現した舞踊になってしまう。
  このように考えると、空手の型をする上で演劇的な考え方はかなり重要だと思うし、逆に空手の型をやっていた人は演劇に取り組む上でのヒントになるのではないかと考える。

 実は、空手と合唱にも繋がりを感じるのだが、その点はまた後日ブログに書こうと思う。今日はここまで。