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映画演劇ワークショップ

 映画監督 萱野孝幸さんのワークショップに行ってきました。萱野監督は私が通っている大学のOBで、最近「電気海月のインシデント」を制作されています。

今まで、演劇でのワークショップしか受けたことがなかったので、どういう風に演じ方とかが違うのだろう?と思って行って参りました。

ワークショップ内容

 今回のワークショップでは、室内での会話劇を中心としたワークでした。グループごとに脚本だけが与配られ、セリフは変えずに登場人物の背景や場所だけを自分たちで考え、それを最後に撮影するというものでした。

 

私は演劇俳優をされている方、モデルをされている方の3人でグループを組んで取り組みました。脚本内容については避けますが、私たちの班は爆弾を解除するというシーンを作ることになり(ちなみに私は爆弾を作ったテロリストでした 笑)、少し練習した後で映像を撮ってもらいました。でも、上映して観てみるとなんとなくしっくり行かないところがあるんですよね?

 

 セリフが改変できないから演じにくい、とか、変に芝居がかっていて不自然、とか問題点はすぐに見つかるんですがそこをどう変えていけばいいのかがよくわからないんですよね。どうしたら良いのかなぁ・・・。とボンヤリと考えていた所、萱野監督は「現実に爆弾処理をするとしたら、本当にこの役はこう言うんでしょうか?」と突っ込みました。

 具体的にいうと、それぞれの役者はどう言う立場にあってどんな関係性にあるのか?とか、そのシーンになるまでの経緯はどうなのか?と細かい所を指摘して行ったんですね。そうすると、爆弾処理をする人がテロリストとこんなに親しげに会話するわけないよな。などの非現実的な要素が見つかるんですよね。

 

 そういうところは映画と演劇舞台は同じと言うか、ちゃんと世界観が役者同士で共有できてないと嘘っぽさが露呈してしまうのかなと思いました。ただ、映像の場合(特に狭い空間)は目の動きとか指先のちょっとした動きまでもが見えてしまうので、より細かく設定や演じ方を突き詰めないといけない。舞台よりもより繊細でリアルな動きが求められるんだなと思いました。

リアリティーを求めるには?

 リアルに考えて演じるなんてあたりまえじゃん?と思うかもしれないですが、案外それが難しいんですよね。わかりやすい例がこう言うクイズなんですが、、、

 

「警察が『スリに注意してください。』と言うポスターを街中に貼りました。しかし、ポスターを貼った地域ではスリが増えてしまいました。なぜ?」

 

 皆さん、解けますか???これは本当にリアルに考えないと解けないです。実は私を含めた参加者の4人で30分前後考えても解けませんでした(泣)最終的にはヒントをもらいつつ正解を出すことができたんですけど...。名俳優か名監督、或いはスリの経験者人はすぐにわかると思います。(もしわからない場合はネットで調べてみてください。たぶん出てきます)

 このクイズを通して、架空の世界をよりリアルに考えるためにはそれだけのシュミレーション、或いは実際にやってみることが大切で、その繰り返しの中で、現実的にこんな出来事があったらこう話すだろうねって言うのを突き詰めていけるんだなとわかりました。ともかくワークショップはとても楽しかったです。